白花彼岸花、リコリス・アルビフローラ(L. albiflora)

白花のヒガンバナ(マンジュシャゲ)には多くの変異がありますが、その中で軸が緑色で花に緑の筋が入り、全体的に白緑色に輝くタイプです。花弁の先にはほのかに紅がさす年もあり、日照や環境でも多少花色が変わる可能性はありますが、清楚で美しい花が気に入っています。

2022年9月30日撮影

リコリスのアルビフローラと言う種は、一般的な赤いヒガンバナのノーマルタイプ(Lycoris radiata )と黄色いショウキズイセン(L. traubii)との交雑で生まれるそうでそ。鹿児島県や宮崎県を中心に西日本には両種が自生する場所があるそうで、自生地や庭先で交雑が起きるようです。時にアケボノショウキズイセン等、キツネノカミソリとショウキズイセンの交雑もあるそうですので、その3種が混じり合う事も起きるのかも知れませんし、一部の育種家の方々や趣味家の方々もリコリス一群の交配を楽しんでおりますので、色々なタイプが生まれていて楽しい世界になっております。地生ランのエビネもそうですが、鹿児島県や宮崎県の自然にも大きな魅力を感じます。一度そのような環境を、この目で見てみたいものですが、なかなか遠くて行けません・・・(汗)

2022年9月30日撮影

何故、赤+黄色=白なのか?それは植物の赤い色素と黄色い色素がお互い打ち消しあう性質があるからなのだそうで、その微妙なバランスで、完全な純白にはなれず、クリーム色や淡いピンク、等、何方か、又は両方の色素が微妙に主張する個体が多いようです。

2022年9月30日

そして意外と純度の高い白花を探そうと思うと無いものですね・・・

本種は不稔で一般的には種子が出来ません。これはよく見るヒガンバナ(3倍体)も種子が出来ない個体なので、私たちが見るヒガンバナの多くは分球で増えたクローンなのです。なので分球を待つかメリクロンでも作らないと増えないので、増殖に時間もかかります。開花期間も短く一般流通しにくい分、家で育て楽しみたい植物です。

2022年9月30日撮影

栽培はとても容易で、我が家は鉢植えで落葉樹の下に置いてあります。秋から春までの冬の期間に葉を伸ばして球根を太らす植物なので、落葉樹木下で冬に良く日が入る状況だと良く分球して増えます。 冬に寂しくなる空間に緑が生い茂る事も魅力ですね♪ 使い方次第で楽しいガーデンライフを演出してくれる事でよう!!