アガベを種子から栽培して感じる事と栽培のポイントについて
アガベの人気が急上昇、東京の高級店舗等に飾られる等トレンドになっていて、植物の新しい興味の対象として、若者からの支持も多く集めている植物です。リュウゼツランとも呼ばれ、日本でも古くから見られるアガベには、巨大なアメリカーナ種がありますが、綺麗な錦(斑入り種)も含め葉長2mを越える大柄なものもあり、その迫力に記憶されている方も多いのではないでしょうか?
アガベはアメリカ南部から中米にかけて広く分布していて、生息域によって多様に進化した結果、多くの種が存在します。日本では多肉植物ブームが再来したこともあり、特にアガベは人気があるようですので、私が栽培して感じる事を少し書いてみます。

アガベ・パリー 吉祥天

アガベ・ポタトルム デザートダイアモンド
アガベをはじめサボテン他、多肉植物の冬越しのポイントは、完全に乾かして葉の水分量を減らす事です。細胞内の水分に含まれる糖質等の含有物が濃縮されて、不凍液のような状況となり、凍結しにくくなるため少しだけ耐寒性が強まります。
ですので露地植えにするにあたっても、水分を得にくい環境、例えば軒下とか、砂質土とか、環境を吟味したり整える事で育てられる種も増えると感じます。

アガベ・サルミアナフェロックス錦

アガベ各種、種子まき状況

アガベの発芽状況
結局、残ったのはパリー種の一部、オバティフォリア種、キシロナカンサ種、ストリアータ種、他、は奇跡的に残る程度・・・。一番注意する必要のある事は炭疽病の脅威から、アガベをどう守るかと言う事だと強く感じました。冬に根が傷む種も多く、排水性や鉢の形状など、課題は色々とあります。

我が家のアガベも原因が分かったので、必要なものには薬剤で対応するか、環境を整える方法で対処しています。雨に当てない事が大切なので、ワーディアンケースかビニールハウス等を用意して、夏は涼しく冬は暖かく、理想の環境を与える事で病気の発生は減り、より美しいアガベを育てる事が出来ます。他ハダニ、サビダニ類の被害などもありますので、乾燥するとこうした害虫防除も必要になる場合があります。
美しいアガベがたくさん紹介される時代ですが、私の目標は造園材料として優秀なアガベを探し出す、もしくは作り出す事なので実生実験の結果なども踏まえつつ、できるだけ薬に頼らず楽しめる、美しいアガベを追い求めたい欲求があります。
忙しい盛りの我々世代でも十分に栽培が出来て、コレクターアイテムとしても品種数が多く、ベランダなどの雨の当たらない過酷な環境に適している植物もそれほど多くはありません。コーデックス(多肉植物)が若者に人気なのはこんな部分があるからだと感じております。自分に合った植物探しもまた、楽しいですね♪奥の深い園芸世界ですがぜひはまってみてください!!